江刺百鹿躍

ruger2007-05-04

 本日は、諸事情?により鹿躍を見に江刺に向かいました。ほぼ”初”鹿躍の見学です。
 ここの江刺甚句祭りにて百鹿躍が演ぜられるとのこと。
 通例、旧仙台藩領の鹿躍は8匹で舞うことが多いのですが、江刺ではこの多頭を逆手?に取り、市内の鹿躍団体を動員しての行列を目玉にしています。

 初めて見たときはビデオを通してだったので、おもわず苦笑したのですが、実物を見るとこれはこれでなかなか様になっています。というよりも結構気に入りました。
 日頃、まったく別の団体として活動している舞手たちが同じ躍りを繰り広げている様は、まさに鹿躍の発展形としてみても差し支えないような気にさせられました。もちろん、考えさせられる点もあるような気がしますが、現在の私の知識ではこれは”あり”でしょう。

 行列の最後は、祭りのメイン会場で、各団体による例庭の演舞です。例庭は鹿躍の基本とされる舞とのことで、すべての団体の最初に回れるとのこと。なので、すべての鹿躍団体が競演できるのですが、これが見事なぐらいどの団体も踊りが違います。本当にたまたまですが、目の前で演じていたのが、久田給田(きゅうでん)鹿躍という、江刺でも一番古い伝承を持つとされる団体の演舞でした。通例、紙製のささらを背にするところ、ここだけは鶏の羽を使ったささらをつけることでも、他団体との違いがありますが、その他笛が付属し、曲調もまったく違うなど、舞としてもなかなか興味深く見ることができました。 
 ところで、この舞台となった「江刺甚句祭り」ですが、これはこれでなかなか興味深いものがありそうです。
 公式のHPなどがないので、ちょっと1,2時間滞在した断片ですが、どうも運営の主体がある年の同窓生からなっているようなのですね。で、厄年の人(公式リーフには「今年の主役」とありますが、42歳の成陽会と25歳の蒼龍会)が「主役」で、メイン会場の出店ほか、運営をやっているのが今年40歳の燦奥会だそうです。どうも、江刺で同年齢で○○会というものを組織して、その人たちが運営に関わり、また他の年齢の人も同様の組織が様々なかたちで関わるというやりかたのようです。これって他の地域でも見られるのですかね。
 人口数万の年だと、同年齢の人ってほぼ高校1校分に若干増えるぐらいだと思いますから、数百人。このうち地元に残った人と考えれば、結構適正な組織の人員が動員でき、それが地域の「祭り」を支える、というのは、なかなか興味深い運営方針だと思いますが、どうでしょうか。いや、この手の分析用語で言えば「市民祭り」に分類される「祭り」なのですが、その中ではかなり盛り上がっている部類に見受けられました。その背後にはこうした運営があるように見えたのですが、どうなんですかね。
 こっちは鹿躍以上に気になります。誰か調べていないですかね>お得意の他人任せ^^;