神子舞

ruger2005-07-17

 本日は、宮古で神子舞を見学。神子と書いてミコと読みます。そう、女性の宗教者による舞ですね。ただ、いわゆる神社の巫女さんと違うのは、ここで舞う女性は、女性の修験者の末裔であり、しかも舞を通じて神下ろしをして、託宣を行うという方なのです。
 三陸沿岸の特徴的な修験の形、ということで注目されていましたが、念願かない、ようやく拝見することができました。
 神子さんは、この地域の最後の方ということで、ご高齢ということもあり、いつまでこの行事がおこなえるのか、厳しい状況だそうです。その中、修験(現在は神主)とともに神を迎え、ある瞬間、神子に神がのりうつり、今年の天候、流行病などなど、氏子のみなさんの一年に関する託宣を延々と続けていきます。掛け合いの相手は、この神社の神楽衆で*1、神楽のリズムのなか、それはそれは神秘的な空間が出現していました。
 舞という面ではいくらでも伝承できると思います。神楽の全演目をビデオ他で記録しておけば、いつか復原することが可能なのかもしれません。しかし、この神子舞は、舞を復原することはできるでしょうが、神子を復活することが不可能ではないでしょうか。そういう意味で、この技能?が今に伝承されてきたこと、伝承されなくなりそうだということは、単なる文化を保存するのとは違う、民俗の問題としても深く自分の心に刻まれました。そのくらい、印象的な舞でした。

−追記−






*1:この神楽衆についても書きたいことがありますが、それはまた後日と言うことで、ご容赦を