志津川のウニ漁

ruger2005-06-30

ということで、港4時集合で、漁船に乗せてもらい、カギによるウニ漁を見てきました。朝焼けの中、竿をもった多数の漁船がもくもくとウニを獲っています。
 県内のウニ漁は以前紹介した、七ヶ浜(id:ruger:20040715)のように素潜りの場所と、三陸沿いにみられるカギを使った漁があります。
 カギ漁では、権利をもつ漁師が決まったときのみ獲ってよいことになっています。この獲る時を口開け*1といい、その日時を以前は集落、現在は漁協で決め、その時間のみカギをいれて良いことになっています。志津川のウニ漁の場合は、4時半から7時までで、漁師は4時半までに漁場着き、開始と同時に竿を入れます。終了の7時にはサイレンが鳴り、以後竿を入れてはいけません。
 2時間半という時間で勝負ですから、専業の漁師さんの船に乗せてもらうなどもってのほかなのですが、今回お願いした方は、本業が別で、権利があるため、”趣味で”やっているので、乗せても良いよ、ということになり、同乗しての撮影がかないました。


こういう感じで竿を入れます。基本的には以前紹介したアワビ漁(id:ruger:20041129)と同じような作業となります。櫓か電動スクリューを使って舟の場所を維持しながらの引っかけていきます。

よい漁場には当然多くの舟が群がります。ここで5m程度の竿を操作するので、思い遣りの心が大切ですが、仕事ですから以前は喧嘩になることも多々あったとのこと。近年はウニが増えすぎたため、浜値が下がっているうえ、アワビのエサとなる海藻を食べ尽して磯焼けの原因となることもあり、この日の漁も漁協での出荷はなく基本的に個人消費のみ、という条件の口開けでした。そのため、殺気だった感じはなく、ある程度獲れると、船上から会話をしながらの漁となります。これがアワビだと大変かもしれません。


 今回は箱メガネを覗かしてもらい、海中の作業も見させてもらいました。
 この漁場では1個3,4mの巨岩がごろごろしている場所だったのですが、この岩の上にウニがちょこんと乗っています。これにカギを被せるようにもっていき、カギのしなりを利用して持ち上げます。見ていると簡単なようですが、海中4,5m先でこの操作をしますし、舟はどんどん動いていきますから、コツと体力ともに必要とのこと。是非体験してみたいのですが、此ばかりは…
 とはいえ、ここまで拝見でき、貴重な写真を撮ることができました。志津川のSさん、ありがとうございました。


そうそう、最後に、取れたてウニを頂きました。

 いや〜、たまらない味でした。塩水だけで食べるウニはやはり美味しいですね。

*1:くちあけ、開口ともいう