鹿躍供養碑

ruger2004-09-22

 本日は調査で本吉郡縦断でした。基本的に手伝いの調査なので詳細は省きますが、その途中、志津川町波伝谷地区に残る鹿躍供養碑をみてきました。
 鹿躍というのは、鹿のかぶり物で踊る民俗芸能で、関東以南では獅子が多いのですが、旧仙台領では鹿となっているため、非常に特徴的な芸能です。伊達政宗も米沢時代に見たとされていますが、現在の見解ではこれは三匹獅子躍りとされていて、江戸時代に独自に鹿をモチーフに発達したとされています。
 鹿躍にはいくつかの系譜があり、踊る人数も様々ですが、県北より岩手県にかけては8頭からなる行山流の鹿躍が非常に発達しています。そしてその発祥の地がここ志津川町にとされ、供養碑が建っています。
 で、本物ですが、近年コンクリートで補強されていることもあり”え、これが”という感じですが、紛れもなく江戸時代のものです。解説の看板には生糸の流通を通して鹿躍が広まったとあります。はたしてそこまでいえるのか不明ですが、志津川北上川三陸を結ぶ場所に位置し、中世以来交通の要衝であったという側面は大きいような気がしています。まぁ、その考えも果たしてそういえるのか、という面もあるのですが。
 ちなみに、志津川の鹿躍は一時廃れ、現在は発祥の地という伝承もあり、伝えられたとされる気仙沼から教えてもらいながら、復活させようとしています。こちらもうまく発展することが期待されます。