羽黒の山楽祭

 出羽三山の麓、羽黒町でこんな行事が8月31日夜に行われたそうです。

 国指定重要無形文化財黒川能櫛引町)や杉沢比山(遊佐町)など10市町村から獅子舞や神楽など16団体、延べ約700人が参加。ふもとの宿坊街をパレードしたり、山頂で競演したりした。
 地元の羽黒中・高の生徒らは、野村さん創作の楽劇「大田楽」の中の「番楽」を披露。篠笛(しのぶえ)とタムタムと呼ばれる西洋の太鼓に合わせ、カラフルな衣装をまとって五穀豊穣(ほうじょう)を祈る舞踊を体いっぱいに表現し、沿道を沸かせた。
 山楽祭は羽黒山伏が「秋の峰」と呼ばれる修行を締めくくる八朔(はっさく)祭に合わせ、県が主催して昨年から開催されている。
河北新報より
http://www.kahoku.co.jp/news/index_k05.htm

 私の基本的なスタンスとしては民俗芸能は現地で、祭礼などと一緒にみるべき、という立場なので、こうしたイベント的なものにはそれほど興味はないのですが*1、この行事はちょっと興味を持ちました。
 全体として6月に急逝された野村万之丞さんがプロデュースしていたそうで、創作の楽劇が上演されるなど、民俗的ではない面もあるのですが、一方で、出羽三山鳥海山という庄内の主要な霊場の周囲にひろがる芸能があつまり、一つの空間を形作る、というアイディアはとてもおもしろいと思います。
 以前、チョウクライロ舞を紹介したとき(id:ruger:200406134)にも書いたのですが、このあたりの芸能は出羽三山の修験の影響を非常に強く受けて成立し、それぞれが独自に発達した面があります。そうした芸能群をまとめてこの山楽祭という行事でみせるということは、あまり意識されない芸能・行事の関連性を示す、という面からも意味があるように思います。
 来年は見に行きたいです。是非続けて下さい、山形県さま

*1:もちろんなかなか見る機会のない芸能を大会などで上演されれば見に行きますし、そうした機会は重要だとも思っていますが