五所川原の虫送り

有名な虫送り行事です。

五穀豊饒願い虫おくり/五所川原
 五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する西北五地方のさなぶり行事「奥津軽虫と火まつり」が二十七日、五所川原市で開かれた。虫人形が市中心街を練り歩き、夜には巨大な虫人形に火を放つ昇天の儀式が行われ、津軽一円から詰め掛けた大勢の観客を魅了した。
 虫おくり運行は午後四時、「あすなろ大太鼓」を先頭にスタートした。色や表情など、各地域ごとに伝承されてきた個性あふれる虫人形の山車十一台が次々と登場すると、沿道を埋めた観客から喝さいを浴びた。
 夕方には「火まつり隊列」と「虫おくり隊列」が合同でJR五所川原駅前を出発。白装束姿の若者たちが、巨大なたいまつを掲げ、火の御輿(みこし)を担ぎながら勇ましく岩木川河川敷へと練り歩いた。
 クライマックスの昇天の儀式では、約二十メートルの虫人形二体に火が放たれ、ごうごうと燃え盛りながら昇天。二千四百発の花火が打ち上げられ、奥津軽の初夏の夜空を彩った。
東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2004/0627/nto0627_15.asp

五所川原近辺には、ワラ製の竜のような形のムシを作り送る行事活発に行われており、今回の行事は、町の中心部で行われる最大規模の物のようです。私としては、農村で行われる行事の方に関心はあるのですが、これはこれで迫力がありそうです。
虫送り行事は、全国的に6月から8月に行われてきましたが、多くは廃れてしまい、宮城県では色麻町の小栗山地区だけと記憶しています。虫の送り方はいろいろで、五所川原のものは特徴的ですが、宮城ではワラ製のツト(納豆を包むワラですね)に虫を集めるとされることが多いようです。
地区内を練り歩き、虫を集めてムラ外れに送る、という行事は集落の空間を意識する機会でもあり、農耕暦ともあいまって、非常に重要な行事だったと思います。
そうそう、河北新報の紙面には本来8月の行事だが、タチネブタ(漢字が出ません)と競合するため時期をずらしたとの記事がありました。なんだかな〜、とも思いましたが、逆に現在売り出し中(笑)のネブタと合併せずに別に行うのだから、それはそれでいいのかな。