沼入りぼんでん

「沼入りぼんでん」で五穀豊穣祈願/平鹿町
 平鹿町醍醐字荒処の弁財天沼で1日、県無形民俗文化財の「沼入りぼんでん」が行われた。まめしぼりに下ばき姿の男衆10人が沼にぼんでんを突き立て、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈願した。
 男衆は正午ごろ、長さ約4メートルのぼんでんを担ぎ、笛や太鼓、ほら貝などに合わせて、沼のほとりに到着。神職のおはらいが行われた後、ぼんでんがぬれないように横に倒して掲げ、周囲約180メートルの沼の中央へ一気に進んだ。
 中央に到達すると、ぼんでんはゆっくりと起こされた。男衆は控綱を引っ張って支えた丸太に交互につかまり、体重を掛けて突き刺した。見事に突き立てると、詰め掛けた見物人から一斉に拍手が起こった。
 昨年7月に、1人目の子どもに恵まれた同町醍醐字荒処の会社員柴田直人さん(31)は「沼の底は深くて踏ん張りがきかなかった。水が冷たくて、早く立てようと必死だった」と体を震わせていた。
 沼入りぼんでんは、沼近くの厳島神社に300年以上前から伝わる伝統行事。新婚や厄年を迎えた男性らが、祈りを込めて沼にぼんでんを突き立てる習わしとなっている。
(2004/05/01 19:49 秋田魁新報

秋田名物?のぼんでん奉納行事です。基本的には五穀豊饒を願い、奉納物として「ぼんでん」とよばれる高さ3メートルから4メートルほどの巨大な幣束が変化したと考えられる飾り物を運ぶ行事です。単に運ぶだけではなく、川をわたったり、崖のような坂道を上るなど、勇壮な光景を目にすることができる行事です、今回紹介したものは、沼の中にぼんでんを立てる行事となります。
ぼんでん行事は各地で行われていますが、私は実見したことはありません。沼に入ったり、川をわたったりと、違いは大きいのですが、どこの行事でもよいので一度みてみたい行事です。きっと実見すると「勇壮」という言葉が適当な動きをぼんでんが見せてくれるような気がしています。