葉山大円院

ruger2006-04-07

 村山盆地、月山の麓に位置する葉山は、古来山岳信仰の対象であり、葉山修験の本山でした。大円院はその中心坊です。山の8合目あたりに修験集落があり、大円院もそこにありましたが、戦後、無住になり本殿が荒れ果てたこともあり、現在は登山口に下りてきています。
 現在、出羽三山という場合、月山、羽黒山湯殿山の三山をさしますが、古くは月山、鳥海山羽黒山の三山を、そして少なくとも戦国期ごろには月山、羽黒山、葉山の三山を指したとされています。鳥海、葉山、湯殿と変遷していく過程は、修験の政治的な動きと関わるようで、なかなか興味深いものがありますが、葉山は三山からはずれた後、公認された修験*1とは別に、葉山派修験を自認し、上記大円院を中心に近世以降活動を続けていました。
 上記のように、現在はかつての勢いはありませんが、それでも伝来の品々などを拝見すると往事の姿を忍ぶことができます。
 写真は本殿で売られていた、天狗豆です。天狗は修験者の装束を身につけていますから、結びつき安いのですが、その割には、ここのところ修験関連の調査に走り回っていても、直接的に結びつくことが少なく気になっていました*2。大円院には天狗豆といい、伝来の天狗像もあり、天狗に関する伝説があるような気がするのですが。残念ながら院の方に伺っても、特にこれといった話が伝わってはいない様子。天狗はカッパと並んで気になっている対象なのですが、なにか興味深い伝承でもあるとよかったのですが。ちょっと残念です。
(本日の運転距離 250km)

*1:本山派や羽黒派など

*2:この前見たのは、湯殿山の大日坊だったような