平塩舞楽

ruger2006-04-03

 寒河江市にある平塩熊野神社の祭礼では舞楽が奉納されます。村山盆地には少なくとも中世以来舞楽を行っていたことが知られる社寺が3カ所あります。寒河江市慈恩寺山形市立石寺(山寺)とここ平塩熊野神社です。このすべてを古代、四天王寺より来たとされる林家によって舞楽が奏ぜられてきました。林家は現在、河北町谷地地区の八幡神社に奉職し、同社の9月15日の祭礼に、林家舞楽として演ぜられています。
 平塩の舞楽は古来林家によっていたとされますが、少なくとも中世末、天正年間には林家の手を離れ、地元で舞われていたとされています*1。平塩熊野神社は境内に接して平塩寺があり、中世には一山寺院を形成していたことがしられ、門前には今も○○坊という通称が残っています。またその中から宮司も選ばれていますから、制度とは別に、地域の中には一山の形式が今も息づいているようです。このあたりから、林家から離れた後は各坊の人たちによって舞われていたような気もしますが、はっきりしてはいないようです。
 実際、舞を拝見すると、確かに林家舞楽に通じるところもありますし、雅楽器が入手できなかったためでしょうか、在地性を感じさせるところもあります。このあたり、本家四天王寺舞楽も併せて一度比較をしてみたいところです。
(本日の運転距離 194km)

*1:現資料は未見です