船大工調査

 久しぶりに調査で外に。
 場所は牡鹿半島です。ここは、鯨で有名な鮎川があったり、金華山があったりと民俗事象という面ではかなり興味深い場所になります。ただ、何故か私自身は調査という形では一度も行ったことがない場所でした。
 更に、今回は船大工の調査ということで、これもまた初めての調査です。初づくしで、緊張するとともに楽しめる調査となりました。
 この調査、船大工道具の寄贈を受けることになって、その調査に伺ったのですが、船大工は、そもそも水が漏らないように作る必要があることから、現場の判断がすべてであり、大枠の道具はわかるのですが、微妙な違いのある道具を使い分けていく内容はすべて口で聞いていく必要があります。。そのため、以前別の職場で調査経験のある、なぜだか我が職場では考古担当の同僚にも同行してもらい調査を行うことに。
 結果としてはこれはよく、知識のない自分だけでいくと、なにもわからず一通り、ごく基礎的なことを聞くだけで終わるところでしたが、彼が大工言葉を通訳してくれるうえ、先方も私と同僚とのやりとりを見ながら、説明をしてもらえ、更には、先方の予定にない道具も寄贈のお願いしてすることまでできました。
 もっともこのあたり「民俗調査」としてかなり邪道で、うまく整理をしないと、わかった気になって、同僚の知識がわかっただけになりかねませんし、語彙などを聞き逃しかねないので注意が必要なのですが。本来は、わからなければ通い込んで、理解するまで教えを乞わなくてはならないのでしょうが、仕事で調査をするようになると、どうしてもはしょってしまいます。いけませんね。
 いずれにしても、明日以降、道具を広げて復習です。