落ちそうで落ちない釣石神社

ruger2005-02-26

 本日は北上町へ。主目的はさておき、ちょっと顔を出したのは釣石神社です。ここの御神体が山中に顔を出している巨石*1で、これが落ちそうで落ちない、ということから、近年では合格をもらたす神として知られています。
 単に受験だけではなく、某選挙では唯一参拝に来た人が当選したとか、そういう話が流布し、非常に人気のある神社になっています。


 で、これに乗じて、というと語弊がありますが、近年では受験シーズンにアワボヒエボ*2の飾り付けが行われています。アワボヒエボはミズキで作った小正月の飾り物ですが、これを竹に刺した姿が落ちそうで落ちない、ということから、新たな縁起物になっています。
 その作成過程も数年前に見学しましたが、参拝者の前で落ちてはならない*3ので、紐でしっかり固定するなど、作るのにも手間をかけます。
 そんなこんなで、近年では受験の神様として有名になっている神社です。
 そろそろ高校受験のシーズンということもあり、本日も多くの受験生らしい人達が引っ切りなしに訪れていました。同僚とも話したのですが、今時、初詣で以外でこんなに若い人が参拝に来る神社はないかもしれないと思います。こういう点で、信仰の形成という面からおもしろい過程がみられると思います。
 また、アワボヒエボを作るのも神社ではなく、地元の有志による自主的な飾り付けというのも興味があります。町全体の青年を中心とした人があつまり、いまはほとんど行われていないアワボヒエボを、復活させる*4など、地域の資源を活用とする動きとして捉えることができると思います。
 いろいろな意味で興味深い、釣石神社をめぐる現在の動きです。


 まぁ、そういうことはさておき、受験生を家族にもつ方、明日にでも参拝にいかがですか。

*1:写真左上の丸い石

*2:写真右手前です

*3:普通は、数日で乾燥もあり落ちます。館の収蔵品も半分ぐらいが落ちています

*4:そのため、アワボヒエボの形態も町内にのこる数タイプのものが復元されていて、よく見るとなかなか興味深いです