指定管理者制度

ってご存じですか?
まずはニュースの紹介から

仙台市の施設指定管理者 市民会館に民間JV
 公共施設の指定管理者制度で、仙台市が4月から3年間指定する管理者として、市民会館(青葉区)は民間企業の共同企業体、新設児童館は民間非営利団体NPO)を選定したことが6日、分かった。管理者を公募した14施設中、市の外郭団体が引き続き管理するのは3施設だけになる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050107-00000011-khk-toh

要するに公的な施設の管理を民間に委託し、行政側は委託費を契約の額支払い、あとはしらん、というものです。
 民間のノウハウで利益がでればそれもよし、少なくとも大損しないような運営になるはずなので、効率もよい、という考え方のようです。>あ、自分も噂程度しかしらない話なので間違いがあればご指摘いただければと思います。


 単純にはなかなかよい制度で、民間のホールはちゃんと運営できているのに行政では運営できないというようなことがある以上、行政から手を放すことでよりよい運営が来たいできるという面はあろうかと思います。


 ただ、行政がなぜこういったサービスを直営で行うことになったのか、という経緯は無視されているような気がします。
 というのも、この制度、博物館にも導入しようと言う動きがあるので。
 いや、博物館は立派で無駄のない運営をしているという気は毛頭ありませんし、世の多くの人にとっては無駄な施設と思われても仕方がない面はあろうかと思います。
 しかし、こういうコストが膨大にかかる上に利益が期待できず、しかも必要な施設というものこそ行政が税金という形で集めたお金を使って運営すべきだと信じています。別に博物館だけではなく、その他多くの施設もそうですし。たとえば私設の博物館もあるじゃないか、という指摘もあろうかと思いますが、そうした博物館はまさに企業側の社会貢献として(ある種)コストを度外視して運営されているものですし、そこにはコレクションに対して会社側の目的が明確です。行政側の博物館もまた地域の文化資源を未来のため*1に集積し、(展示のみならず)利用する方策を提供する、という面では目的が明確であると思っています。


 現在は、なんでもいいから技術的・法律的に導入可能な施設は全部指定管理者制度を導入しようという動きがあるもので、本当にそれでいいの、ということ自分も言っておきたかった*2のでひとまず書きました。
 もちろんこう書いても、それは学芸員だからそう思うだけだよ、って思われるのでしょうが、どうなんでしょうかね。

*1:以前合併話でも書いたのですが、行政ってこの視点が一番重要だと私は思っています。今は苦しくても、50年後は、というのが重要ではないだろうか。にもかかわらず、一番目を背けていますよね。

*2:博物館業界では結構話題になっていますし、他の導入が検討されている分野でも業界内ではそうかもしれませんが、マスコミレベルでは特に問題点に関しての記事をほとんど見ないので