石工道具

 仙台市で石工用具が市の有形民俗文化財に指定の答申を受けたとのこと。
http://www.city.sendai.jp/soumu/kouhou/houdou/04/161104bunkazai.html
 元ネタは河北新報紙面ですが、ネット上に記事がないので、仙台市のHPからです。


 実は宮城県というのは有形民俗文化財に厳しい土地柄、というか指定される資料が非常に少ないです。その中で、こうした生業用具が指定されるのは、市町村の指定とはいえ、たぶん初めてだと思います。
 仙台は藩政時代にかなり厳密な職人の管理を行っていましたから、現在も城下一帯には様々な旧職人街が残っています。鍛治町や染師町といった名前が残っていることから、地名としてはわかるのですが、道具などを通じての歴史はおざなりになっている印象でした。
 今回指定された石工用具は、そうしたなかで、仙台城創建時の石工たちによる旧石切町の職人達の道具を一括して残していこうという動きだと思います。さらにいえば、今回指定されたのは2軒の職人の家の資料なのですが、それぞれが大阪と岩手から呼び寄せられた職人の子孫ということで、仙台城下形成にあたっての歴史を示す用具の一端を残すことができるのではないか、とも思えます*1。少なくとも、そうした来歴が資料を通じて保存できると言うことはよいことだと思います。
 是非、この動きを仙台城下、そして県下全域に広げて行ければと思いますし、市町村などといわず、県や国の指定にすべき事だと思います。

*1:もちろん、指定される資料は大正以降のものですから、技術が道具にどの程度反映しているのか、難しいところですが