スターウォーズ展

ruger2004-07-25

 昨日は、一路会津へ。開催中のスターウォーズ展を見に行ってきました。
 思ったよりも会場は空いていて、ゆっくりみることができました。会場は福島県立博物館、また県立美術館でもエピソード4〜6の展示を同時開催していますが、今回は会津だけ。
 私の年代は美術館の方が興奮するのでしょうが(だって、ダースベイターもヨーダ様もいないんだもん)、息子はDVDで見ていることもあり、こっちの方がよいだろう、ということで。
 まぁ、展示そのものも感想はさておき、ここでは別の話を。

 近年公立の博物館でも、「収入をあげろ」という上からの命令により、こうした展覧会を開催することがよくあります。スターウォーズ展は、はじめ京都会場が京都国立博物館、東京会場が国立科学博物館と、なだたる硬派な博物館を会場にしたことで、名をあげたこともあり、その点からの興味がありました。業界内の話も少しは聞いているのですが、以前”めざましテレビ”で東京展が取り上げられ、「科学」博物館で「空想科学」をどのように扱えばよいのか、というジレンマを学芸員が抱えながら展示を構成した、ということが報じられていて、ほー、と思っていました。
 一方で今回の展示でも大分衣装類などが展示されていますし、ラフスケッチや模型のための設計図など、デザインという面では多分に美術的な展示という側面があり、美術館の展示としては成立する部分もあるかもしれません。
 
 で、実際に行ってみると、実質展示は貸し会場状態で、チケット販売以外の運営からなにまで全て博物館スタッフは関わらずに行っているとのこと。こうなると、仕事をしていても、展示をしている実感がなくなるような気がします。実際、こうした大きな展覧会だと駐車場から雰囲気があることが多いし、また「こんな展覧会を今やっています、是非・是非見て下さい」という工夫をしようと努力するのですが、今回は、そうした雰囲気がほとんどなく、自動ドアをくぐって、はじめて、「あぁ、やっていた」と実感できた具合です。

 こうした展覧会はある程度集客も見込めますし、通常博物館に足を運ぶことのない客層を開拓できるという面からは意味があることと思います。ただ、単に巡回するものを並べるだけで、しかもなにもしなくても、ある程度の収入が見込めてしまうと、現場のモチベーションも低いものになりますし、そうした展示を繰り返すことは返って博物館の存在そのものが問われてしまうような気がします。
 もちろん、今回の展示は非常にイレギュラーなものなのでしょうが、最近は巡回展示も、各館で少しでも色を出そう、努力することがあります。同じ展覧会でも会場によって少しずつ色が違う、例えば関連行事や、地域に合わせた解説パネルの追加などで。こうした工夫が、博物館という空間で行事を行っている雰囲気などを作る上で重要なのかな、と思った次第です。

 以上、学芸員の外から見た独り言でした。