雄国根曲がり竹細工

ちょっと気になるニュースから。

伝統工芸の雄国根曲がり竹細工、装い新たに装飾品へ−−保存会など協力 /福島(毎日新聞
◇カラフルに着色、装飾品へ変身−−保存会と東北芸工大協力
 喜多方市東端の雄国山に自生する竹から編み出した「雄国根曲がり竹細工」を、地元の雄国竹細工保存会と東北芸術工科大(山形市)が約1年にわたって意見交換を重ねて改良し、新生させた。江戸時代から伝わる伝統工芸に初めて着色した竹を一緒に編み込み、茶、橙(だいだい)、緑などカラフルな竹細工に仕上げた。これまで実用品として農作業で使われてきた竹細工が装いも新たに生まれ変わり、インテリアなどの楽しみ方も提案されている。【町田徳丈】
 雄国山の標高1000メートル以上には細くて節が多い竹が自生しており、付近の住民は農閑期に竹を割き、竹細工にして販売していた。多くはかごやざる、めかごなど実用的な品々だが、需要の低迷に悩んでいた。
 保存会のメンバーは打開策を模索する中で、東北芸術工科大が山形県天童市の将棋駒やワインボトル、日本酒ラベルのデザインを手がけていることを知り、アドバイスを求めることにした。昨年5月から同大と連携して研究を重ね、竹工芸品産地の宮城県岩出山町の視察や竹工芸家の講習にも参加した。
 同大の高橋勝彦・研究支援室長は「まず加工技術を知るため、保存会から話を聞いた。実際に作品が実現可能かどうかは保存会にしか分からない」と、対話を重視して作り込んでいった。
 新しい竹細工はインテリア的な風合いの3色編みのめかごや、喜多方市の地酒を包むもの、ブレスレット、ボールなど約20種類。染料は11色用意した。渓流釣り用の檜枝岐魚籠(びく)もそろえた。
 保存会は市内にアンテナショップを構えて、新生した竹細工を販売する予定だ。教材用の竹細工セットも作り、保存会の井上寅男会長は「後継者不足の解消にもつなげたい」と期待を寄せている。(毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040604-00000001-mai-l07

この竹細工は存じていなかったのですが、会津で根曲がり竹を使った細工があるとは聞いていて、一度見て見たいとは思っていました。
今回は、一層の発展を、ということで東北芸工大との協力で新しい細工を作ったということです。注目点は後継者不足への対応と、需要の拡大のために新たなアイディアを求めた、という点と、そこに大学が関与したというところでしょうか。
近年は伝統工芸品に人気が有り、民芸の専門店などでも結構な値段で売っていますが、生産者、とくに古くから農間稼ぎで行ってきた、工芸品には厳しい状況にあるということなんですね。
また、芸工大ですが、ここは赤坂憲雄氏の「東北学」に代表されるように地域文化の掘り起こしに力をいれていますし、その他の先生方もご自分の専門の中でさまざまな活動をしています。山形方面に調査に行くと、結構芸工大の先生や生徒であうので、足で稼いでいるな、という印象をもっていました。産学連携などといわれるなかで、人文系(今回はデザイン系なのかな)がコミットすることは難しい印象だったので、今後も単に調査だけではなく、全体の活動として気にして行きたいと思います。