三陸産アワビ

ちょっと気にしているアワビの話です。

岩手・三陸産アワビ 中国向け輸出額10年前の2倍(河北新報
 中華料理の高級食材となる干しアワビの日本からの中国向け輸出が急増している。特に岩手県三陸沖産は北京や上海など都市部の高額所得者が先を争って料理店で注文するといい、昨年のアワビ加工品の輸出額は10年前の2倍近い約22億円に上ったことが8日、神戸税関の調査で分かった。
 輸出量では横浜港が若干上回るが、価額では神戸港が6割以上を占め全国一といい、神戸税関は「神戸には昔から海産物商社が多く、香港などの有力業者とつながりが深いため、高級品が多いようだ」と話している。
 神戸税関などによると、神戸港から昨年輸出されたアワビの加工品は約2万5000トンで価額が約13億6000万円。輸出先は価額で中国(香港)が9割を超えた。
 中でも大船渡市吉浜沖で採れる「キッピンアワビ」など三陸産に人気が集まる。大粒で味が良く、料理店では1個数万円に上ることもあるが、中国人には外車などと同様に「成功の象徴」として好まれるという。
 神戸市の海産物商社は「キッピンは特に高級品とされ、輸送中にすり替えられるなどの被害に遭う恐れもあり、箱を二重にしてラベルを隠すなど輸出の際には神経を使う」と話している。
河北新報
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040509-00000004-khk-toh

まあ、近年の額面上の推移ということなんですが、歴史的にも三陸産のエゾアワビは珍重されていました。エゾアワビそのものは全体に小振りなのですが、量が安定していることもあり、また日本人おとくいの加工技術の高さから評判を読んでいます。そもそもが俵物と呼ばれる中国向けの輸出品として生産されるようになったので、まあ中国向けの輸出、といっても当然、という印象の記事なのですが。
そうそう、フカヒレも宮城の特産ですね。
で、宮城にきて新聞を眺めながら驚いたことに、こちらのアワビは密猟を○○団が行っており、けっこうな財源になっているとのこと。そのくらいの貴重品であるようです。
実際、漁ができるのは年間数日程度で、一日数時間が解禁時間になっています。そのために資源が維持できているのですが、密猟などの問題も生じるのですね。
漁師に話を聞くと、自分の漁場(当然詳細は教えてもらえない)についてや、いかに出足を早くするのか、という点に力が入れられていることを知ることができます。潜水ではなく、船上より、5m程度の竿をつけたカギで引っかける取り方なので、技術も要求されますし、ちょっとした差が収入に大きく跳ね返る漁のようです。
三陸のアワビ漁は11月が解禁になっているので、今は季節外れになりますが、また、シーズンになれば紹介したいと思います。