なまはげの記録

本の紹介というか、なまはげ行事の現在を伝える記事というか。
こんな記事がありました。

消え行く習俗、後世に 日本海域文化研が写真集−−なまはげの面を記録 /秋田(毎日新聞
なまはげの面、88集落で記録
 なまはげの民間研究者でつくる日本海域文化研究所(男鹿市)が、2年間にわたって収集、撮影した88集落約200種類のなまはげの面が一冊の写真集にまとまり発刊された。「ナマハゲ その面と習俗」(秋田文化出版刊、A4判126ページ)で、すでに絶えた集落のものも記録した。真山神社宮司で同研究所理事長の武内信彦さん(52)は「地域ごとに異なる面に愛着を持つ人は多い。消えゆく習俗を、せめて記録として残せれば」と話す。【北村弘一
 写真集作成は99年7月に「なまはげ館」(男鹿市北浦真山)がオープンしたのを機に、武内さんが計画。01年から地域の文化財関係者、元教員でつくる研究所員が、男鹿市、天王、若美両町の88集落を訪ね、旧家や公民館などに保存されていた面を集めた。撮影は埼玉県在住の写真家、小賀野実さんがボランティアで引き受けた。
 「男鹿のナマハゲ」は、78年に国の重要無形文化財に指定されたが、10〜15年前に若者流出による成り手不足、迎える側のわずらわしさなどのため急速に廃れた。最近は公共広告機構のCMや、県警の防犯啓発、観光キャンペーンでひっぱりだこだが、同研究所が調査した88集落のうち3分の1程度では、すでに習俗が絶えているという。
 面はスギ、ケヤキなど木製、ざるをベースにしたもの、トタンや紙粘土、ベニヤ板からできたものなど、地域によって素材はさまざま。これに海藻や馬毛、人間の髪があしらわれ、さらに金、銀の紙を張り付けるなどして、個性たっぷりの面が出来上がる。しかし形状、表情が多彩だった面は、やがて民芸品店などで購入したものに代わっていったという。
 武内さんは「すでに習俗が絶えてしまった集落ほど、その集落独自の面や作法に、地域のお年寄りが愛着を持っていることが分かった」。編集作業に携わった秋田文化出版の渡辺修さん(44)は「地域の面がどんどん忘れ去られ、いまでないと(写真集製作が)間に合わなかったかもしれない。それも民間団体がまとめたことに意味がある」と話している。
 写真集は2800円(税込み)で今月中旬から店頭に並ぶ。問い合わせ電話018・864・3322秋田文化出版。(毎日新聞

とのことです。
なまはげ行事そのものは映像でしか見たことがないのですが、ここ20年ほどでかなり衰退しているのですね。有名なだけに今後の展開が気になります。
(完全に観光化して、合同で1箇所のみの開催になるのだけは勘弁してほしいのですが、そういえば、以前男鹿の行事を紹介した際、なまはげが先導して、という記事があったような気がします。ということは、そうした行事と習合してしまうのでしょうか。)