晦日正月

ruger2007-01-31

 本日は1月の晦日、そうお正月の最終日です。正月の期間も最近ではどんどん短くなり、せいぜい全国平均?の「松の内」とルール化された7日程度、仙台だとどんと祭のおかげで15日までというところでしょうか。実際、関東で調査をしていた頃は、やはり小正月の終わりまでで行事が全て終わり、ということが多かったように記憶しています。
 ところで、宮城では、現在も多くの場所で晦日正月まで行事が行われています。最近通っている沿岸部では”つたこ正月”といい、軒や玄関口などにツタを飾り、”蔦の年越し”をして正月を締めくくります。正直、なぜツタか、ということがわからないのですが、なかなか貴重な習俗だと思います。
 とはいえ、この行事も大分行う家が減ってきています。ちょっと立ち話をすると「新暦で正月をやるようになったから」止めた、というお話が聞けました。宮城県では昭和40年代まで正月は旧暦で行っていたことが多く、そのころまでは、月の満ち欠けに基づいて一ヶ月間行事が続いていたが、現在は…、という感じでしょうか。このあたりもう少し調査をする必要がありますが、確かに、我々が年中行事の調査をしていると、新暦旧暦の変動を掴むのが難しく、また行事そのものも1月程度繰りがあがった関係で行われなくなったということがままあるようです。特に晦日の行事は、旧暦ですと1月29日から30日にかけて行っていたものが、新暦では、29日がよいのか、晦日として30日から31日がいいのか、などという問題も生じるのでしょうかね。
 正月は1月中全部なんだ、ということは現在の暦では難しいのかもしれませんが、もう少し強調してもよいと思いますが、どうですかね。

 写真は本日調査したつたこ正月の飾り。こちらでは、神棚のあるオカミの部屋の縁側前に柱を2本たて、門松を飾りますが、この松をはずした後に、ツタを飾ります。