何度目かの志津川

 19日より22日まで志津川にこもっておりました。予想よりは暖かかったのですが、それでも日が暮れるとなかなかパンチの効いた寒さの中、盛りだくさんの調査となりました。あまりにも盛りだくさんすぎてここでは書きづらいのですが…
 ようするに、フィールドのみなさんありがとうございます。ということですね。私にとっても2年間同じフィールドに入るのは学生時代以来になります。長期の調査は集中調査に比べてデータの集まりが効率的ではないのですが、2年目に入り、ようやく地域の顔も見えてくるようになると、より深いデータが集まるようになる気がします。
 今回も印象に残ったデータはたくさんあるのですが、たとえば「チリ地震津波の時、朝4時に○○さんが田んぼに出ていて、水の調子がおかしいと騒いでいて…」という話を伺いました。通常の調査だと、ここで終わるのですが、こちらは○○さんがどういう方で、どのように仕事に取り組んでいる人か知っているので、地域の中で○○さんが騒いでいた、ということが津波、というかその時はなにか異変が起こっている、ということが単に話者が言葉にした以上に説得力あるものとして地域の中に伝わっていたことが実感できるということです。調査で質問に対する答えとして言葉にすると間違いはないが、それ以前に共有されている人の評価とか、そういうものが掴めてくると、より深く話が理解できるようになるということですね。
 もっとも断片的な2年間の調査ですから、まだまだなのですが、今回の一連の調査は、ようやく濃密な調査が始まったことが実感できる調査となりました。