大江戸動物図館

ruger2006-10-01

 仙台市博物館で開催中の「大江戸動物図館」に行ってきました。子供たちに「人魚のミイラ」を見に行こうと説得し、先の日記に書いたように動物園に行ったばかりということもあって、子供たちはなかなかの興奮具合です。
 で、展示ですが、ここのところはまっている動物画の展示ということで、私個人としては関心があり、是非見たいと言うこともありましたし、それ以上にカッパのミイラが見たかったということがありますが。いや、別に何か目処があってということではないのですが、展示資料には他にも学生時代に恩師の一人が自慢げに見せてくれた資料があったり*1、楽しむことが出来ました。
 とはいえ、私がこの展覧会を見て一番印象に残ったのは息子の一言「もう一度行きたいな」です。展示そのものはいたって古典的、というと失礼ですが、”もの”を並べるだけの展示*2でありながら子供が喜んでいるという企画のすばらしさです。若干子供向きの企画もありますが、少なくとも未就学児である我が子たちが喜んでいるというのは、ものからくる説得力があるということだと思います*3し、大人たる自分が見ても、納得できる資料たちだと思います。
 小手先の技術はいろいろありますが、ここのところ思うのは、ある”おもしろい”視点に基づいて、論理的でなかろうと網羅的に”もの”を集めると、それはすばらしい展示になるということです。展示と陳列という区分けに乗っ取るなら、そこにストーリーを組み立てるのは学芸員の技術ですが、それすらも蛇足に感じてしまう展覧会というのはありなんだろうな〜、というところでしょうか。それは、学芸員が今更述べるにしては恥ずかしい言葉かもしれませんが、実物の力のみを見せることがまさに展示であると言い換えてもよいのかもしれません。
 このネタと構成と展示技法で、息子が「もう一度見に行きたい」と言ったということがある種業界人としてショックを受けた展示でした。

*1:ちなみに、図録の協力者にその先生のお名前があり、市博の情報収集力に感心したり^^;、だって地質の先生なんですもん。

*2:悪意はありません。解説パネルで補助的な情報を多用する展示に対してというぐらいのニュアンスです

*3:ただ、注目してよいのは、すべての漢字にふりがなを振っている点で、ひらがなが読めるようになった息子は、動物図鑑の知識も含め、何が描かれているのか、キャプションとともにじっくり見ることが出来、また、動物ということで理解しやすいという側面はたぶんにあると思いますが…