展示が終わりに近づいて

 苦労した展覧会もいよいよ今週末が会期末です。ということもあるのか、本日は私の関係者2組を同時刻に、別々にご案内することに。一組は民俗研究者の先輩で、今回の展示物に学術的な関心がありわざわざ東京他からお見えです。もう一組はこちらでの知り合いで歴史・民俗等はさほど詳しくはないが、今回の展示テーマが先祖の出身地ということでご興味のある方です。
 何が言いたいかというと、これだけ展示に興味の方向が違う方々をご案内するのがものすごく大変だということ。先輩方は展示全体についてある程度の知識をお持ちですし、当然興味のある資料については私よりもはるかにご存じなので、こちらとしては大枠の展示コンセプトを説明したうえで、あまり関心がなかった部分を中心に説明をすればよいのですが、その分、いつ揚げ足を取られるか冷や冷やします。その直後、お知り合いのご一行には、もう少し大枠の説明を、かなりはしょりながら説明することになります。これをまったく同時ではなかったのですが、入れ違いに説明していくのは、本当に疲れました。と同時に、自分たちの解説の未熟さも実感した次第です。
 特に後者のご一行に対して説明していて思ったのですが、展示の解説文は基本的にいいたいことを詰め込んだ長めの文章を削って削って作るものだと思っていたのですが、逆にいいたいことを一つに絞り込んで、それを丁寧に丁寧に説明しないと理解してもらえないということに気づかされました。要するに、言葉で説明できるので、解説文の削った部分を中心に話をしていたのですが、それでは初めの?が増幅するだけということです。
 そんなことを展示の最後に気が付くのもいかがとは思いますが。展示期間中、大人数を相手に解説をする機会というのはあるのですが、こうして個別の人とやり取りをしながら説明する機会ってあまりないのですよね。そういう意味では貴重な経験をさせてもらいました。
 実際、後者の方々をご案内しているときには、結構な人が折に触れて我々の周りで聞き耳を立てている雰囲気でしたし、情けない限りです。