懐かしの商店街

ruger2005-06-11

 上京の主目的の先、実は10年ほど前に調査に行った商店街でした。
 23区との外れのここは、戦前には60軒ほどの農家とその農地がひろがる一帯でした。そこが今では数万世帯以上の家があります。ちょうどバブルの終わりのころの調査でしたから、農家の調査に行くと、入れからりたちかわりで銀行やらがくるので全然調査にならなかった記憶があります。
 そんな場所で商店街の調査もしました。まだ、昔ながらの商店が残っていて、あそこの布団屋と金物屋が古くから営業していてなんて話を聞いていました。
 ここも20年ほど前に鉄道も開通し、交通の便がよくなりました。その結果、10年前にはなかった高層マンションが林立し、駅前には立派なスーパーも。で、件の写真、以前は普通の商店街だったのですが、結構チェーン店が増えて来ています。


 そうそう、この調査をしていたとき、飛び込みでお店に入り、話を聞かせろといった時の反応がいまいちだったんですね。「うーん、商店の調査ってむずかしいのだな〜」などと考えながらうろうろしていて、数件目「このご時世にその格好だとみんな不審がって話をしないわよ」と店のオバサンに指摘されてしまいました。
 そう、この調査をしていた時って、件の地下鉄事件が真っ盛りの時で、そんな最中に髭面の男がうろうろしていると、非常に怪しまれるのですね。その当時はバイトしていたコンビニで常連のイラン人に「あなたの髭なら私の国でもいい男です」*1と褒められる髭をしていたもので
 民俗調査ハンドブック(初版)には民俗調査に行く際には、服装には気を使えとあります。赤シャツで調査に行くなどもってのほかとあるのですが、次の新版では髭を生やしての調査には気をつけろという文言を入れてもらいたいものです。
 久々にこの地に来て、そんなことを思い出してしまいました。

*1:イスラム圏では髭がないと男として認められず、しかもしょぼい髭だと男としての評価がさがるとのこと