この度の重文指定で
先週18日の文化審議会にて新指定の重要文化財が答申されました。文化庁のHPには詳細が掲載されていないのですが*1、新聞各紙に情報が掲載されています。今回は民俗文化財のネタがないないのでそれほど興味をもってみていたわけではないのですが、ちょっと気になったのが、この指定です。
国の文化振興に関わる重要事項を審議する文化審議会が重要文化財に指定するよう答申した「琉球芸術調査写真」は沖縄文化の研究家として知られる故鎌倉芳太郎氏が首里城や琉球王朝時代の歴代国王の肖像画などを撮影した資料群で、ガラス原板や紙焼き付け写真など2200点以上にのぼります。撮影し記録した文化財のほとんどが先の戦争で焼失したため、首里城修復の際は鎌倉芳太郎氏の写真やノートが参考にされるなど、琉球文化財の研究保存に貴重な資料となっています。
http://www.otv.co.jp/newstxt/news.cgi?mode=detail&code=20050321192362&pline=&keyword=&andor=&input_yms=&input_yme=&type=
いや、資料の価値をいいたいのではなく、あくまでも素朴な疑問なのですが、歴史資料としての写真を文化財指定といった場合、どこが対象になるのでしょうか。
というのも、この資料を公開する時、何が対象なんですかね。写っている物とすれば、コピーも重文になるのですかね。モノ資料の写真とコピーは性格が違うと思いますし。
紙焼きやガラス乾板が指定らしいのですが、そのものとコピーはどこが違うのですかね。よく「写真と実物は違う」といいますし、博物館の存在意義は実物を見せる点だ、というのは実感としてもあり*2、それを多くの人に実感していただきたいと思っていますが、写真の場合は…???
もう一点気になるは、不勉強なので間違いがあるのかも知れませんが、写真の場合撮影者の著作権とともに写っている人の肖像権がありますが、重文の公開に際しては、どこまで適用されるのだろうか?、という点です。
いや、なぜこだわるかというと、民俗資料の場合、貴重な写真というのも多数あり*3、こういうのも、将来は指定の対象になるのかな〜、という素朴な疑問があるからなもので。しかも、それは重要文化財の歴史資料?、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財?
いろいろと素朴な疑問が生じる今回の指定でした。たぶん来月あたりの「月刊文化財」に新指定の紹介があるでしょうから、解説を目に通してみようと思います。