ヘドラ

 今週のBS映画がゴジラ特集。わが家ではコナンと同時に昔のゴジラ映画を借りていて、息子もゴジラブームが起こっている中、毎日ゴジラ三昧です。
 で、本日は”ゴジラ対ヘドラ”。おもしろいですね。昭和29年のゴジラから三日間みると、まさに戦後日本の変化が分かるとともに、本日のヘドラは公害問題をリアルタイムに扱っているだけに、えらくリアルです。作品としても秀逸ですね*1。1984年に復活する前のゴジラはたんなるヒーローになってしまった、という解説がなされますし、自分もそういう認識でしたが、今回三日間をみていると、社会変化がうまく作品に反映していて*2、案外、現在の科学技術万歳的なシリーズよりもよくできているかも知れません*3
 4歳の息子にとって公害の象徴として描かれるヘドラは「きったね〜」という感想だけのようですが、親の視点をもつようになった私には、この時代に生まれたものとしては、子供にこうした歴史、まさに歴史的な過去として息子には認識される1960年代から70年代の日本の姿を説明する第一歩には最適な映画のような気がしました。
 あしたは、その1984年のゴジラ。これは初日にマリオンに言った記憶があります。20年たち、この映画はどんなふうに見えるのかな。ちょっと楽しみになってきました。

*1:まさに初代ゴジラヘドラであり、酸素を投下したら失敗するところなど、オキジェンデストロイヤーのパロディなのでしょうから、ゴジラ映画の精神を受け継いだ作品としてもみられるのではないでしょうか

*2:こういう視点でみると、昨日の三大怪獣大激突も、茅葺き屋根の立ち並ぶ阿蘇山麓の集落の様子とか、そこに出てくる人物とか、そういう部分に時代が現れていたように思えます

*3:SF大賞を受賞したガメラの新シリーズ、ストーリーはよくできていたと思いますが、時代の雰囲気を怪獣をネタに表現する、という面ではヘドラをみた後に考えればイマイチかもしれない気がしてきます