しな織

しな織“百年物”捜索中 国工芸品指定に必要 山形・温海(河北新報
 日本三大古代織りの一つ「しな織」を国の伝統的工芸品に指定してもらおうと、山形県温海町の関川しな織協同組合が100年前のしな織の着物を探している。「100年以上の伝統」が指定要件にあり、古い現物の提出が不可欠だからだ。組合は「町内外の老舗呉服店などに照会しているが見つからない。情報があればご一報を」と協力を呼び掛けている。
 しな織は温海町関川地区と新潟県山北町雷地区に伝わる。両町は約10年前から伝統産業の継承を図る一方、1850年代の売買帳簿や価格変動値を記した文献などを収集。今年9月の指定を目指し「100年以上の伝統があることは証明できた」(温海町)としている。
 最後の難関となっているのが100年以上前に作られた着物や帯、はんてん、野良着などの現物だ。組合専務の五十嵐勇喜さん(68)は「豪華な着物と違い、しな織は農作業などに着られることが多く、古びて捨てられたのではないか」と推測する。
 しな織はシナノキの皮をはいで乾燥させた繊維で糸を紡ぐなど、手間がかかる割には安値で売買された。丈夫で水や汚れに強く、仕事着のほか米袋や作業袋、畳のへりなど、多くの生活用品に使われてきた。
 こうした民具は数多く残り、100年以上前の物も一部現存するが、着衣は鶴岡市の致道博物館に保存されている「袖なし」だけ。昭和30年代に収集され、年代は不明だが、100年以上経ってはいないという。
 五十嵐さんは「伝統的工芸品に指定されれば担い手の励みにもなる。9合目まで来たのだから、ぜひとも探し出したい」と話している。連絡先は同組合0235(47)2502。
伝統的工芸品]国指定で、全国に205品目、東北では20品目ある(昨年9月現在)。(1)100年以上の伝統がある(2)日常生活に使われ、伝統的な技法・材料で主に手作業で作られている(3)技が継承されている―などが要件。都道府県が独自に指定しているケースもある。
河北新報
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040709-00000003-khk-toh

国指定工芸品というと、大島紬や結木紬といったものでしょうか。100年前のものがないと、というところがお役所的というか。もちろんなにか基準はいるのでしょうが。
狭義の文化財(つまり役所が指定する)というのは難しいですよね。まぁ、だからこそ、指定されると、「担い手の励みになる」というものなのかもしれませんが。じゃぁ、指定されないとどうなるのだろうか、とも天の邪鬼な私は思ってしまうのですが。
ただ、そのために集められる膨大な資料が、単に指定されるためだけでなく、その後に生かされることを願います。