茅葺き民家保存

東奥日報より、新里村で芝棟の古民家を保存する運動についてのレポートです。

茅葺き民家保存で教授視察/新郷
 ボランティアの力で新郷村の茅葺(かやぶ)き民家保存を目指す芝棟・新郷プロジェクト(代表・小坂正男新郷村観光協会長)は、西越地区の空き屋になっている茅葺き民家の修復作業を進めている。十二日は屋根の葺き替え用に刈ったカヤを敷地内に運んだほか、古民家研究で知られる安藤邦廣筑波大教授が視察に訪れた。
 同地区の茅葺き民家は屋根の頂に芝を張り根を絡ませる芝棟造りで、集落単位で残っているのは国内でここだけといわれる。同プロジェクトが修復作業中の民家は建築後百五十年ほどたち、斜めになった柱や床のゆがみなどを直し、屋内の清掃や周辺の草取りなどを行ってきた。この日はボランティア十五人が参加。修復作業を続け、屋根葺き替え用のカヤを運んだ。
 また初めて同地区を視察した安藤教授は「芝棟の茅葺き民家がこれほど残っているところはほかになく驚いた。貴重であり残しておくべき素晴らしい文化遺産」と感動気味に語った。また「芝棟は縄文から続く北方の文化を伝える造りで、東北人が誇るべき遺産」と指摘した。
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2004/0617/nto0617_3.asp

ちなみに同プロジェクトのサイトはこちらです。
http://www.jomon.ne.jp/~aratayum/
芝棟がどんなものかもわかります。屋根の頂部に草が植えられており、それで屋根の押さえにしています。非常に古風な屋根の納め方ということは聞いていたのですが、こうして集落で残っているのですね。奥会津の大内宿ほど、とはいいませんが、なかなかの景観のように思います。
気になったのは、以前縄文街道(id:ruger:20040612)で触れたように、こうした屋根が縄文から続く、と評価されているところです。本当ですかね。建築の専門ではないので、なんともいえませんが、「北方の文化」は了解できるとして、それが縄文ですかね(マスコミ向けのコメントかも知れませんが)。
まあ、けちを付けるのはこの位にして、茅葺きの民家は維持が一番大変で、工夫をすれば住む分には快適に過ごせるようですが、屋根の葺き替えや、屋根が腐らないように維持することが大変だと思います。写真で見る限り、その中でもかなりの戸数が残されていますし、白川郷や大内宿のように地域の財産として活かせればよいのかな、と思いますし、一度立ち寄ってみたい気はします。
ただ、民家というのはそこで生活を営んでいる方がおり、先に触れた白川郷などでは観光客との間でいろいろある(自宅に上がり込んで勝手にトイレを使うとか、うかうか布団も干せないとか)という話も聞きます。貴重な分だけ、単純に観光資源にして売り込むのではなく、地域の中で利用法が考え、実践できるような運動になればよいように思います。