「漁村番屋」、観光スポットに

「漁村番屋」、観光スポットに 体験学習の場に再利用−−田野畑村 /岩手(毎日新聞
 ◇文化的価値にも注目−−田野畑村の宝として見直し
 かつて沿岸部の漁業を支え、現在は老朽化が進む「漁村番屋」を村の宝として見直し、観光スポットにする試みが、田野畑村で始まっている。地元青年会の若者を中心に、体験学習の場として再利用する構想が浮上しており、村も支援する考えだ。
 見直されているのは、同村の机漁港の海岸から約100メートル離れた25戸余りの番屋(1戸の幅約5メートル、奥行き約3メートル)。漁師が余ったトタンなどの資材で建てたもので、ウニやワカメの漁期に漁師の一時滞在場所として使われ、漁具置き場にもなった。
 番屋を今も使う同村の漁師、上村重孝さん(68)によると、最も番屋が活気づいたのは30年ほど前。道路や交通手段が不便だったため、漁期には近くの漁師が住み込み、「酒を飲んで漁の成果を話し合った」という。近年は多くが空き家となり、数戸が資材置き場になっている。
 しかし、村が2年前から進める宝探しの試みで、村外の人が番屋の価値を指摘したことから保存の機運が高まり、机地区の青年会会長の有谷芳彦さんらが実態調査を実施。県立大の山田晴義教授(環境政策)も「番屋を漁具展示場や食堂、売店などにして交流拠点にすることは可能」と提言するなど、番屋の歴史的、文化的価値に再び注目が集まっている。
 同村は「漁師体験ツアーなどが村で始まっており、番屋を生かしたメニューも組み込みたい」と成果を期待している。【工藤哲】(毎日新聞

ニュースの中に興味深い記事がありました。以前、新潟の沿岸を車で走っていた時にもおもしろいな、と思った事があるのですが、海岸の漁小屋がずらっと並び立つ風景は、現在その機能を失いつつも、まさに地域の文化遺産というか、「伝統的景観」なのかな、と思います。
田野畑は、東北でももっとも遠いところ(先に触れた宮古から一本道でさらに1時間かかりますから)のひとつですから、また三陸沿岸は津波対策で自宅が高台にあることが多く、沿岸の漁小屋が大きい意味があったように思われます。また、いろいろ歩いてもこの手の小屋を見かけることが大分すくなくなっているので保存しようというのは、とてもよいことだと思います。
ただ、漁小屋って、そうじて廃材を張り合わせてつくるようなものですから、とても汚い(見た目が)ものなんですよね。その辺が今後の利用(食堂)などとあい入れるのかな?という気持ちもなきにもあらずなのですが。
今後の動きに注目したいと思います。